毎年春に開催される世界最大の化粧品原料展示会 in-cosmetics 通称インコス。

今年はアムステルダムでの開催。
もうね・・・今回めちゃくちゃ感じたのは「もはや化粧品トレンドの中心ってヨーロッパではないのかも・・・」ということ。
いやだって、めちゃくちゃ目にしたワードがまさかの「エクソソーム」
エクソソームなんてヨーロッパの化粧品界隈の人「アジアってキワモノ好きだよね~~~www」ってちょっとバカにしてるのかと思ってました。
さすがにヒト由来のものはヨーロッパにはないけど、「うちのエキス調べてみたらエクソソーム入ってましたわ!!」みたいなのが結構あって・・・
植物のがメインだけど、マリンエクソソームやミルクエクソソームまで・・・
エクソソームって創薬分野でも注目されてはいるので、尖り系欧州原料メーカーでエクソソームって前から言及してた会社はあったけど、ここまでビックウェーブになるとは・・
細胞膜を加工してエクソソームぽくリフォームしましたみたいなやつまであって、そこかしこで「エクソソームあるあるって言いたい~~♪」状態でしたわ。

そして極めつけが「ガラススキン」「グラススキン」コンセプト。
こちらも韓国発祥のキーワードで、前から言ってる会社はあったけど、ここも?あれまた?ここも??みたいな。
この原料使うと~こんな感じのガラスみたいなつやつやなめらか透明感のある肌になるよ~という・・・
なんだろうね?しいて言えば「美白」のていのいい言い換えワードなのかもしれない。
あと、サステナビリティとか環境配慮とかの大きな流れは相変わらず。
でもアップサイクルの流行りは一段落した模様で、キレキレまで極めちゃってる会社は輸送コストとか防腐剤問題とかもあってか原料をパウダー化しがちだなぁって・・・
アップサイクル、ミストラル的に推進していない食べ物系が多かったから下火になったのは私的にはうれしい。
この感じだと、韓国でにわかにはやってるコラーゲンひたひたシートマスク(乳白色から透明にゲルシートが変化する)あたりからも垣間見える「コラーゲン」ビックウェーブくるかもしれないね。
コラーゲン注目製品がmintelブースでも紹介されてたし。

まぁでも魚由来のコラーゲンは化粧品使用で皮膚でアレルギー成立→魚食べてアナフィラキシーとかのリスクがあるから気をつけようね~(詳しくはこちら)
そして誰も言わなくなった「アンチエイジング」
コロナ禍を経て美容ってそもそも健康ありきだよねなウェルビーイング、ストレスってやっぱよくないよね心の健やかさって肌にも影響するよね~?なボディマインドスピリット的なことから、よりよく生きような「ウェルエイジング」の大きな流れがありまして。
とにかく健やかに生きようぞ!!!が叫ばれている昨今。
で、めちゃくちゃコミットされていたのが「longevity(長寿)」
抗加齢医学会ではおなじみ老化の12特徴の図を使って「うちの原料はこことここをカバーしてまぁす!」ってのめちゃくちゃ見ました。
でもさぁ・・・まぁ本質として目指してる事はアンチエイジングなんだよねこれ・・・ただ、その言葉は使わなくなったというのが正しいのかも。↓
(https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023032600441 より)
抗加齢医学会なんかだと、寿命って単純に「生死」の区切りではなく、つまり・・・歩けないとか寝たきりで何年も生きる・・のではなく、「健康寿命」を伸ばしましょう~って話がめちゃくちゃ出てくるんだよね。
そのために歯の検診!(歯周病はアルツハイマーの原因)とか適度な運動!とかさ。
ところでミストラル、だいぶ前から「結局のところミトコンドリア(の健康)とオートファジーだから」って言ってるけど、間違ってないでしょ???
この辺ね、スキンケアでは薬機法で全く訴求できないけど、それぞれの製品で違う原料でちゃんと対処しているからミストラルチルドレンのアナタは心配いらないです!!
いやさ~ミストラルなんて元々「私が綺麗でいるために作ってる」んだから、訴求できなくてもいいものは入れるのよ。
んで、1本作るわけにいかないからある程度作って皆さんにお裾分けしてるだけなんでね?
正直こんなに地の果てまで良い原料や知識を求めて、やりたい放題作ってるの、業界内でもめーーちゃ羨ましがられてるから♪うるさい株主とかもいないしね~
ここにたどり着いた皆さん、超ラッキー☆
でですね、原料のアワードがあるんだけど、ここ数年「いや~~~~~~広告出してる会社への忖度すげ~~~~イノベーティブとは~~~~???これは広告費ランキングではなく~~~~~??」みたいな感じだったのよ。グローバルは特に。
でも今年はコンセプトで言ったら
1位:ロンジェビティ(ミトコンドリアネットワークとか老化細胞対処的な側面で)
2位:ロンジェビティ(カロリー制限的な側面で)
3位:(ダブル)エクソソーム
って結果でそこまでそこまーで忖度感を感じなかったけど、中身の作用機序とかデータのとり方とかで革新的に新しいとかは特になく・・・まぁこれまでは1原料につきざっくり1働きみたいな事だったのが、老化の12特徴でいくつか組み合わせた働きがあるよ!的な訴求っていうのかな・・・
ワイは作用機序厨なので、パイロトーシス!カスパーゼ1!IL-18!の赤ら顔対策原料に沸いてたんだけどサ。
えだって新しい考え方とか新しい作用機序とか新しい指標のデータとかがイノベーティブって事じゃないの・・・??え???
パイロトーシス(炎症性の細胞死)なんて化粧品原料で初めて言及されたワードだと思うけど・・・?
まぁでもこの「ちょっとずれてて」流行りを追いかけないのがミストラルの強さの秘訣だと思うからいいんだけど、相変わらずほとんどの人と話が通じなくて笑う。
あと去年やたらヘアケアとかスカルプケアが多くて「ついにスキンケアのネタ切れか・・???」と思ったけど、今年もちらほらありました。
パーソナライズよりもカテゴライズの時代なのかもしれない
一時期パーソナライズってマーケティングトレンドセミナーでめちゃくちゃ「来る来る」言われてたんですけど、あんまり派手には聞かなくなった。
いやそれこそAIのアプリとかで似合う髪型・ファンデの色味・メイクとかそういうパーソナル診断がいろいろ進んでるけど、スキンケアでいう「その日の天候やあなたの肌状態に合わせてネスプレッソみたいな機械でにゅーっと出てくるクリーム」みたいな話はほぼなくなった。
つまるところ最適なものに出会うための診断はいいけど、そこからあなただけの製品・・となると・・・
これまでの歴史をみても、スキンケア~メイクアップ品含めて、完全なパーソナライズ・カスタマイズってやっぱり高額になったり続けにくいんじゃないかな~(ポーラのアペックスアイや美肌菌カスタマイズみたいなやつもやっぱり大衆的とは言い難い)と思っていて・・・
今ってブルベ・イエベや顔タイプ診断、韓国だとウォーム・クールやミュートみたいなのを筆頭に「カテゴライズの時代」なのかもと思った。
消費者への訴求としても、あなただけの!よりもあなたはこのカテゴリに属しますね~という勧め方の方が受け入れられやすいんだよね。
ただ、韓国では地味にパーソナライズ文化も続いていて、コロナ前からリップやアイシャドウをパーソナライズ制作するサービスはあったし、今もアモーレパシフィックのフラッグシップ店では美容液やファンデのパーソナライズが熱いんだよね。予約取れたためしがないけど・・・(笑)
DSMブースでのいろいろ
「72時間保湿!」とか「モイスチャーマグネット」というフレコミで角質に糖がくっついて保湿する「ペンタバイティン(全成分名:異性化糖)」について、この反応って糖化なのでは・・・?みたいな話がちらほらあるようで。
DSMブースでペンタバイティン40年やってますみたいなガチの研究の人に聞いてもらったんですよ。
「水素結合でゆるい結合なので糖化反応とは違います。」とのこと。こういうのがインコスの醍醐味。
私なんて普通に客の立場なのにアムステルダムまでは来てない代理店に情報教えてあげたりして偉いったらないわよ。
がっちりつながってるというよりも可逆性があって、いやまさに磁石でくっついているようなことね・・・と妙に納得。
もし糖化なのかも・・と不安になってる人いたら違うから安心してねーー!
あ、あと異性化糖って全成分名のものが全部ペンタバイティンではないので、そこも注意。
DSMブースではリアルタイム保湿センサー?があったりして~

私も体験してみたけど、フェイスラインの乾燥ヤバwwww
てか妖怪?これ晒していいの??(もう載せちゃってるけど)
というかなぜ下から撮ってしまったんだろうか・・・

いや~日本でヒノキでヤバイな~ってなってたんですけどオランダ行けば大丈夫だろ!と思ってたらこっちはこっちでさすがチューリップの国、自然満載!おかげで肌の調子はバカわるで、朝起きたらまぶた腫れてて 3 3 ←のび太の眼鏡なし状態だわ、皮ムケやばいわでね・・・
どうもシラカバがしっかり飛んでたらしい。
その他いろいろ
●中国と韓国の出展者がめちゃ増えた~~~~~~
中国とかさ、4千年の歴史に物言わせて漢方ドヤ~薬草ドヤ~~~してくるかと思いきや、この辺の国が出してる原料はペプチド・セラミド・ビタミンCなんかが多くてケミカル寄り
実際に今って漢方のあれこれをネチネチ調べてるのってアメリカだっていうし・・・
とにかく中国はお金があるので、機械とか検査機器とかバンバン買えるぽいからめちゃケミカルなのかも。
技術力もじゃんじゃん上がっているらしいけど、まだなんか怖いよ・・・技術っていうか・・倫理観とかが・・・というのが正直な感想。
●イケメンパトリックがイギリスの海藻エキス社に転職
カネボウも使っててミストラルもながらーーーーく使ってるヒアルロン酸にケイ素くっつけた原料持ってるモナコの会社の超イケメンパトリックが転職。
日本にいる代理店に「パトリックはどこに行ったの!?ねぇ!?ねぇ!?」とメンヘラ発動し即確認してもらって居場所をつきとめたストーカーネキ。
ちょっとムクんでたけどやっぱりイケメンだった。(太ったとは言わないやさしさ)
あと、当の海藻エキスはパウダー製品で、「日本人からすると色がつくしちょっとくさいって言われるかも・・」と言ってた。
なんだろうね、昆布茶かな?みたいな感じだった。
海藻エキスってね~栄養あるし、細胞にドバーーーーってかけても死なないことが多いし(植物エキスだと割と死ぬ。抗炎症で有名なエキスでも死ぬ)まじで最高なんだけど、いかんせん臭いことが多い。
あと、塩の影響なのかトロみが死ぬこともあったナ・・・(遠い目)
でも海藻エキスって本当にすごいんだよね。パトちゃん頑張れ。
●結局美容の難しさを痛感する
このSNS時代嫌でも人と・・それも実際には会わない人、SNSがなければ知りえなかった人ともつい比べてしまうし、あなたらしさ・・と言いながらも結局ある程度美しさの「型」とか「流行」ってあるし、普通体型ですよ!と言われても洋服買う時に入らないものが多いとか・・・結局社会も自分もルッキズム沼にどっぷりつかってるな・・・と思う事もしばしば。
だからこそ
いやそんなポイズンな世の中でも頑張って生きてる自分偉くない????という意味を込めて、スキンケアが自分を労わる時間になったらいいなと思うわけ。
ということでここまで読んだアナタ、今日からスキンケアの時は「今日も偉い~~がんばってる~~~長寿!!(←願掛け)」って自分に語り掛けあおう。私との約束!
ということで、インコス所感でした。
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「正しい洗顔と適正な保湿 レチノールやビタミンCが合わない方の受け皿」
ミストラル・コスメティクス オフィシャルサイト
→https://www.mistral-cosme.com/