はじめに
朝、洗顔をしてもすぐにテカりが気になってくる、鼻の毛穴の開きや詰まりが気になる、メイクがドロドロに崩れる・・・
こういった皮脂が多めのオイリー肌さん。
「乾燥しているから皮脂が出る」
「皮脂が出るのは保湿が足りないから」
って思っていませんか???
この謎の通説が幅を利かせていて、オイリー肌なのに顔を適切に洗わない、油分コテコテの乾燥肌向けスキンケアをする人続出で皮膚科学会でもニキビ治療の重鎮がキレてまして。
正しくは
「皮脂が多く出ていてもバリア機能や角質水分量が高いとは限らない」
「オイリーな敏感肌というのもある(敏感肌は乾燥肌だけではない)」のであって、
「保湿が足りないから皮脂が出る」ではないです!
そもそも皮脂が多いというのは生まれ持った「肌質」であって、骨格なんかと同じなのでそう簡単に変わるものではないです。
例えば、皮脂の組成のバランスや、もっているアクネ菌のリポタイプ(種類)も肌質によって違うと言われているので、保湿したぐらいで簡単にどうにかなるわけないのですが・・・間違ったケアで悪化させない、適切なケアをすることで不快感を軽減することを目指したいですよね。
ただ・・乾燥肌のいわゆる「不足」状態を補うよりも「過剰」をコントロールする方がむちゃくちゃ難しくて、おそらく現在、皮脂抑制に一番効果があるのはビタミンA誘導体を主成分とする内服薬「イソトレチノイン」(日本では保険適用外・催奇形性の副作用あり)、つい最近Aviclear(アビクリア)というレーザーが出てきましたが、皮脂を確実に減らすような施術というのは美容医療をもってしても内服薬やレーザーという超絶エネルギーで「皮脂腺を直接減らす」治療で、やっとや~~~~~~っと実感できるようなものを、当然化粧品でできるわけがなく、化粧品ができることは「何も塗らないより”快適かも”」ぐらいのことだということはまずご理解いただきたいと思います。
自分にぴったりのスキンケアに出会えたら、皮脂がぱったりでなくなるはず!
なんてことはまずないということです。
「塗らないより塗った方が”快適”」これをモットーにスキンケアは選びましょう!
皮脂とはそもそもなんだ
まずはこの動画をみてください。これはニキビができる様子をアニメ化したものですが、皮脂がどこでつくられているのかをまず理解。
それでもって脂腺拡大図↓

ざっくりいうと・・・
皮脂細胞が成長と共に油をためこんで、最後死ぬときに吐き出したのが皮脂です。
皮脂は・・・
- ワックスエステル、トリグリセリド、スクワレン、脂肪酸などより構成(構成比は個人差あり)
- 汗などの水分とうまいこと混ざり、皮膚表面をコーティングする
- この皮表膜はpH4 〜 6 の酸性を示し,殺菌作用がある
- 皮表膜と遊離脂肪酸によって有害な物質の侵入と感染を防ぐ
- 皮脂は皮膚の保湿作用を有し,角層の水分保持に役立つ
(参照:新しい皮膚科科学)
と、皮膚の保湿において大事な役割があるので、それ自体はありがたい存在。
でも皮脂分泌が多すぎたり、長く肌に滞在すると、デメリットがでてきます。
- 毛穴を塞ぎ、ニキビの第一段階「面皰(コメド)形成」の原因に
- 皮脂を栄養源とするアクネ菌(これも人よってアクネ菌の性格が異なる)が繁殖し、吹き出物の原因に
- 皮脂を栄養源とするマラセチア属が表皮のバリア機能を障害したり脂漏性皮膚炎の原因に
- 毛穴の開き・詰まりの原因に
- 皮脂が酸化すると、細胞毒性を持つ「過酸化脂質」に変化し刺激・炎症(肌の火事)やバリア機能の低下を招き、結果乾燥する
- 酸化ストレスによりコラーゲンやエラスチン分解酵素が生まれシワやたるみなどの光老化にも影響
- 慢性的な小さな炎症により老化を促進
はい。後半が特にやばいですね。
皮脂そのものというよりもきちんと洗浄せずに放っておくことが肌に超悪い。
「酸化する・老ける・肌荒れ・そしてむしろ乾燥の原因になる」
乾燥しているから皮脂が出る→朝は洗顔しないでおこう!
が超悪手であることがお分かりいただけると思います。
皮脂が多い部分は朝・晩ともに適切に洗浄することが、健やかな皮膚にとても大事です!
ミストラルが考えるオイリースキンのケア
まずオイリー肌のケアは基本的に以下の3つを意識してください!
●朝・夜の2回洗顔料を使って洗顔する
→3回以上は洗いすぎ
●足りないバリア機能をみずみずしく補う
→油分よりも水溶性の保湿成分で肌を満たすことを意識!
●油分は控えめに
→自前の油分である皮脂で十分!なるべく追いオイルをしない
それではミストラル初のオイリー肌用の塗るスキンケア「マットシグナル」について、私が考えていたことをつらつら書きます。
オイリー肌用スキンケアと言えば、第一選択肢となるのはやはりビタミンC(誘導体)・レチノール・サリチル酸や最近だとアゼライン酸などの酸を使った化粧品だと思います。あ、医薬部外品の承認をとったライスパワーエキスなんかもありましたね。
そしてエタノールや酸化亜鉛などを入れてさっぱりとした感触に仕上げていたり。
(酸化亜鉛は最近あまりにも誤解が多いです。じゅくじゅくした傷の乾燥などに使われる医薬品の”亜鉛華軟膏”というものがありますし、収れん効果や炎症抑制もするのでオイリー肌・ニキビ肌向けの製品に入っているのはなんら不思議ではないです!)
ただやっぱりビタミンCがかぶれる人、レチノールがA反応で使えない人、ビタミンAってそもそも油なのでレチノール系のスキンケアが重いと感じる人、アゼライン酸が合わない人、はたまた部分的に使うといいけど、顔全体に使うとなんか・・・・??な人。
そんな方達がいらっしゃることはわかっていて、その方達にミストラルができることってあるんじゃないの・・・・・・???
ということから始まりました。
繰り返しますが、オイリー肌の第一選択はビタミンC(誘導体含む)・レチノール・酸です!
そこは否定していません。むしろそこで解決するならそれでよし。
それでしっくりこない人はミストラルも検討してみてねっていう感じ。
ご存じの通り私はこの原料はどういう風に働きかけるのかという「作用機序」オタクなので、いつも通り、皮脂がつくられる過程・それが吹き出物になっちゃう分かれ道に関与するシグナルを調べ上げて、そこにひとつひとつ原料を当てはめて試作をはじめ、おそらくこの5年ぐらいで世の中のほとんどの「オイリー肌向け化粧品原料」を触りました。
私は典型的な混合肌で、Tゾーンはオイリーでテカりやすく、その他は乾燥しやすいので、とにかくTゾーンに塗りこんで試作と評価をずっと繰り返してきました。
実際は「評判いいです!売れてます!」と言われてた原料が肌に合わなかったり、作用機序はすごいのにあんまり効きを実感できなかったり、良い原料だけど入れすぎたら逆に皮脂が増えたり、逆に、皮脂抑制について何も言及していない原料が以外と手ごたえを感じたり・・いろいろな事があって(笑)
何を入れるかも大事なんですけど、どのくらい入れるかも超大事で、まぁ料理なんかもそうなんで当たり前なんですけど、その調整がすごく難しくて、えらい時間がかかって「出す出す詐欺」みたいになってしまっていました。
あるときふと「何も塗ってみなかったらどうかな」と思って鼻だけ洗顔後何も塗らずに寝たら翌朝小さい白ニキビがぷちぷちできてしまって、あ~何も塗らないのもやっぱりよくないんだなと思い知ったり。
ミストラルはどちらかというと1人の人を救うような製品づくりを目指しているので、試作の段階でいろんな人の意見を聞かない方針なんですが、ちょうどうちの工場の担当くんがオイリー肌ということもあって、彼の意見はかなり参考にしました。
彼が「塗ったらやっぱり快適!!夜つけて朝起きた時の肌の印象とか特に」と言ってくれているのでひとまず安心。
ということで、オイリー肌のさまよえる子羊さんのお役に立てたらうれし~~~~~~!!!
さて内容ですが、ざっくり言うと、ナイアシンアミド&植物エキス&ペプチドっていう組み合わせです。
オイリー肌向けのぺプチドなんかあんのかい!?と思うかもしれませんが、あるんですこれが。かなり新しい原料です。
*皮脂生成の初期段階(ACC)
*毛穴周りの皮膚のこと(MMP-1)
*ホエイプロテイン飲んだ時に上昇しニキビになる原因とされているIGF-1(インスリン様成長因子1)
この3つを1つのペプチドでサポートできるようにAIにデザインさせてつくったらしいです。
植物エキスは本当に奥が深くてね・・・・
ミストラルって私が植物エキスが合わない事が多いので、わりと植物に後ろ向きな稀有なメーカーなんですけど、とかく皮脂とか抗酸化みたいな話だとやっぱり植物のポリフェノールとかあれこれが良き働きするんすよね・・・
レチノール塗った時と皮脂抑制に関して同じ指標が動くよ!!!(でも受容体に関与しないから炎症起きない)みたいなのもあれば、あんまり知られてないけど、肌の中でサリチル酸に変わるサリシン含有のセイヨウシロヤギとか(サリチル酸は美容の世界ではピーリングが有名だからで強い攻めの成分と思われがちだけど、元々はアスピリンの成分になってるぐらい鎮痛作用や解熱作用がある。今回はサリチル酸そのものを配合しているわけではないのがミソ)、ニキビや酒さもわりと肥満細胞(別名マストセル。太る脂肪細胞の方じゃなくてヒスタミンとかだすやつね)の暴ぶりが関与しているんだけどそこに着目したものとか・・・
あと・・・ストレスニキビとTLR2に着目したこちらの研究の知恵なんかも拝借したり。
あ~そうそうでもナイアシンアミド合わない人はごめんなさい。
ただ・・ナイアシンアミド合わない人、過去10%とかそういう濃度自慢なの使ってない・・・・?
あの~5%以上は普通に合わないリスク上がるのと、ナイアシンアミドも純度があってですね・・・うん・・・
うちはDSM社のを使ってますヨ
あと、ちょっと面白いかもしれないのが、油を吸収するブルターニュの微生物からとった多糖体を入れてます。
よくある皮脂吸着系素材って乾燥を感じる事もありますが、これは肌の水分量を変化させることなく、肌表面をさらっと整えてテカりが気になりにくい肌環境をサポートしてくれます。
アミノ酸 ( アラニン と セリン ) を含んでるので、NMF的にも良き良き!
だから男性でエタノール入ってないものが好みで、ギラギラ感気になる~~~みたいな人にもぜひ使ってみてほしい!!
オイルフリーの保湿液なので、やっぱり油分もちょっとほしいな~という方は、適宜他のアイテムも足してください。
ミストラルではアイパーフェクションをさっぱり系クリームとして使っている方も多いです。
エイジングケア(年齢に応じたケア)もできておすすめです!
あと、スキンディレクションみたいに「重ね付け」推奨ではなく、顔全体に使うならコットンでパッティングがおすすめです。
テカりが気になる部分のみに使いたい時は、数滴を手に取って肌になじませてくださいね!
ちなみに、この図で赤くかこってある肌質に該当するな・・・?という方はマットシグナル、それ以外はスキンディレクションがおすすめです↓

部分的に使う・・・については次をお読みください。
混合肌は、部分的にケアを変えよう!
おそらく日本人で一番多いのは、Tゾーンは皮脂が多く時間が経つとテカったり毛穴や角栓ができやすい、他の部分は乾燥を感じやすい・・・・こういった混合肌だと思います。
混合肌は、たとえば乾燥対策をメインにしたらTゾーンはべたつくし、Tゾーンのテカリや毛穴にコミットしすぎてそれを顔全体に適用したら当たり前に乾燥しますよね。
混合肌は顔全体を同じようにケアすると「どの部分もずっとしっくりこない」という状態になります。
顔の中に別人格の2人が共存していると仮定して、それぞれに合ったケアをする必要があります。
私も典型的な混合肌ですが、Tゾーンは一年中朝・晩しっかり洗顔料をつけて洗いますが、頬などは真冬や花粉の時期にはすすぐ時になんとなくTゾーンの洗顔料をのばす(?)だけですますことも。
クレンジングするときも鼻やTゾーンからオイルをなじませます。
このあたりは、ご自分の肌と相談して肌の調子がいい方法を選んでみてください。
私が伝えたいのは「いつでも顔全体を同じように洗う必要はないかもしれないですよ?」ということなので。
また塗るスキンケアもマットシグナルを発売する前はオイリー肌に合うのはプラセニストかな~という感じでしたので、鼻はプラセニストだけ塗っている事が多かったです。
スキンディレクションもオイル美容液も鼻には塗らなかったです。
そして、今はTゾーンにはマットシグナル・他の部分はスキンディレクションを塗っています。
面倒ですよね・・・・(笑)
でも今までTゾーンはテカりがちだけど、スキンディレクションだけでやってたよ~という方、よければTゾーンだけでもマットシグナルに切り替える方法を試してみてください♥
最後に少し番外編
ニキビ・吹き出物ができやすい方への生活習慣で気を付けてほしい事
☆必ず朝も洗顔料を使って洗顔!!!
しつこいようですが「乾燥しているから皮脂がでる・ニキビができる」という都市伝説が席巻しすぎて、オイリー肌なのに朝洗顔料を使っていない人がすごく多いです。
皮脂は早ければ6時間を超えてくると皮膚に悪い作用をするようになり、酸化・乾燥を招きかえってニキビの原因になります。
「乾燥をするから洗わない」がかえって乾燥を招いていることもあるのです!
皮膚は、自分で潤いを守る事はある程度できますが、汚れを落とすことはできません。つまり必ず「洗浄」をしてあげないと汚れたまま。
クレンジング・洗顔は、汚れとのバランスが大事なので、朝の洗顔もその人の肌質にぴったりの「洗浄力」は様々。
洗う・洗わないの究極の2択の間に「どのくらいの洗浄力で洗うか」という事もとても大事。
ミストラルでは、基本的にオイリー肌・Tゾーンの皮脂が多めの混合肌には、余分な皮脂をクレイで吸着するウォッシングクレイをおすすめしています。
これは一般的な洗顔料に「クレイも配合しています」というタイプではなくて、もろクレイです。
クレイを保湿成分で練ってあるパックみたいな洗顔料です。ぜひお試しください!
☆すすぎ、大丈夫そ?
フェイスラインにニキビができやすい方、すすぎ残しが原因のことがあります。
首まですすぐイメージで右3回・左3回アゴ~フェイスラインのすすぎを増やしましょう!
また、男性のヒゲが生える位置にできる吹き出物はホルモンバランスが原因のことがありますが、それはスキンケアの範疇ではないので漢方とかピルとかホルモン充填療法とかを検討してみてください。
☆洗顔タオル
できれば、使い捨ての洗顔タオルやティッシュでふくことをお勧めします。
私はセリアの洗顔タオルがお気に入りです!

☆枕カバー
「枕カバーはトイレの便座よりも細菌が多い」という報告もあるほど枕カバーってすごく汚いってご存じですか・・・
枕カバーを毎日替えるのは大変ですが、タオルなら簡単!
私はフェイスタオルを毎日枕にひいて、毎日洗濯しています。
☆そもそも水飲んでますか?
厚生労働省は食事以外の純粋な飲料としての水の目安摂取量を1.2リットル/日としています。
個人的にはやはり1.5~2リットルぐらいは飲んだ方がいいのではないかと思っています。
特に吹き出物ができやすい方、単純に意識して水を飲む量を増やしたら吹き出物ができにくくなったという事を聞くからです。
「トイレに行きたくない」と水分摂取をひかえる方がいますが、「水で老廃物を流す」ことを意識してみてほしいです。
特に朝起きて歯磨き後の1杯、寝る前の1杯は意識して摂りましょう!
身体の内部が乾いていたら、いくらバリア機能に気を付けていても肌が潤いようがないです!
☆プロテイン・乳製品は肌質によっては注意が必要
ホエイプロテインはIGF-1(インスリン様成長因子)/2・TGF・PDGF・FGF-1/2
を増やすため、皮脂分泌を活発にする→ニキビの原因になるという説があります。
また、乳製品とニキビも「関連あり」という説が。
(この記事面白い→
https://clinic-fukuda.jp/service/%E7%9A%AE%E8%86%9A%E7%A7%91/)
じゃあソイに!という簡単なことでもなく、例えば私はジャパニーズベースラインシリーズのパッチテストでニッケルにアレルギー反応が認められたので、大豆製品を積極的にとることは私の身体には負担になるんです。
つまり個人差が大きいので、「世の中で健康とされているものが自分に合うとは限らない」という前提をもって自分の身体・体質について調べられる事をまず調べて、食べるものと皮膚の状態を観察していくしかないのですが・・・
いくらスキンケアに気を付けて漢方などを飲んでもプロテインを飲んでいる限りニキビが治らないという事例もあったりするので、ニキビができやすい方はちょっと注意しましょう!
と盛りだくさんの内容でしたが、ここまで読んでくださってありがとうございます。
ミストラルのべたつき・テカリの気になる肌をみずみずしく整える保湿液「マットシグナル」ぜひよろしくお願いします!
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「正しい洗顔と適正な保湿 レチノールやビタミンCが合わない方の受け皿」
ミストラル・コスメティクス オフィシャルサイト
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