5年ぐらい取り掛かっていた「顔の赤み」をテーマにした美容液「ピースオブスキン」がついにできました!
皮膚科・アレルギーの学会でも近年とてもよく取り上げられる「酒さ・赤ら顔」の皮膚について学び、毎日のスキンケアで取り組める範囲を形にしました。
酒さの皮膚には特徴(LL-37・TLR2・TRPV1)があって、そこを一応ターゲットにしている原料をいろいろ組み合わせてるという感じ。
薬ではないので当然治療はできません!
が、皮膚科に通っていてもまぁ日々スキンケアはしないといけないわけで、その選択肢のひとつになれたらいいなと。
まず赤ら顔は治りにくく、再発しやすく、ずっと続くことが多いです。
大事なのは運動・お風呂あがり・暑かったりで一時的に顔が赤くなるのは普通のことですが、それが長く続く、特に普通に過ごしていてもずっと肌が赤い・ヒリヒリする・・そういう事象のことです。
この赤ら顔は「簡単に治る」事は難しいので、スキンケアでは特に「悪化しない」ことを重要視して「なるべく他の悪化要因を避ける」ことをがんばって続けていきましょう。
ざっくりどんな人向け??
まず”洗顔後すぐ塗る”03スペシャル美容液シリーズの久々の新作ということもあって、どういう方向けかを簡単に
✓赤みが気になる
✓乾燥肌
✓アゼライン酸合わない
✓セラミドケアなんか自分はピンとこない
✓BGアレルギー
ここに当てはまる方は試してみて欲しいです。
「赤みが気になる」もうここが一番のポイントで、赤みが気になる&オイリー寄りの方はプラセニストが◎
じゃあなんでわざわざピースオブスキンを開発したのか??
簡単に言うと、問題の根っこである「炎症(肌の火事)」に着目しているのはプラセニストもそうなんですけど、出口がメラニンにつながる方向に意識が向いてるのがプラセニスト。
肌が黒くなるのは「やば!紫外線キタ!!!DNAに傷がつくといけないからメラニンっつー黒い傘つくって細胞の核守ろ!!」といういわば「炎症反応(火事のお知らせ)」から始まります。
(ご存知の通り紫外線に無防備でいると実際には黒くなるだけじゃなくて、シワもたるみも出来るんだけど)
でも赤ら顔ってメラニンとは違う方向性にも問題が広がっていくので、そこをどうにかしたい場合にはやはり違う設計が必要だなと思って・・
前々からプラセニストでなんか赤みがいい感じかもみたいなお声はめちゃくちゃ頂いていて、お客様的にはハテ?と思ったかもしれませんが、根っこの部分が同じなんでまぁハマる人にはハマるということ。
で、オイリー肌寄りの方はプラセニストはさっぱりしているので、そのままプラセニストで大丈夫ですよ~
赤ら顔スキンケアでの第一選択肢はアゼライン酸だけど・・・・
ミストラル、正直カンパニーなのと正しい知識を持っていただきたいから言いますが、普通~~~に赤ら顔スキンケアの第一選択肢はアゼライン酸です。
ただ~~~~~個人的には、アゼライン酸てどちらかというとオイリー肌向け成分かな~~~という印象があるのと、作用機序的に顔全体に使うというよりも部分的に使う方がいいのでは・・????という気がしている成分ではあります。
あと、アゼライン酸による接触皮膚炎の報告なんかもあるので合わない人はいると思う。
これはどの成分でも絶対安全ということはないので当たり前なんだけど、良いと言われている成分で荒れるはずないと思っている方もいらっしゃるので、「人気の成分でも、お友達の肌に合っていてもアナタに合わない事はありますよ」という事は都度都度伝えていきたい。
で、今って赤ら顔の方がアゼライン酸に合わなかった場合どうすりゃいいの・・・となりがちなので、あえて抜いて乾燥肌向けに作ってみました。
~こぼれ話~
アゼライン酸って100%は粉の原料で、まぁ~~~~溶けない。
だもんでだいたいクリーム製品でしょ?
そういう原料を水っぽい製剤にすると普通に溶けないし混ざらないから沈殿するので、それを防ぐためにクリームみたいな「モタっとした製剤」に「分散させる」みたいな感じじゃないとうまく製品にならないんだよね。
(水っぽい美容液に入ってるやつは大体アゼライン酸に何かをくっつけて「誘導体」って形にしているはず。)
で、ロートさんがアゼライン酸20%配合の超ド級のクリーム出しているし、私はもうそれでいいじゃん・・・ってなるタイプだからアゼライン酸を使う気はそもそもなかった。レッドオーシャンには突っ込まないミストラルなんで。
セラミドがピンとこない人・・・ぜひ
これだけセラミド大事だよ~~~~ともてはやされても「え・・・なんかセラミド配合って書かれてても実感としてピンとこないけど・・??」という方、いらっしゃいませんか。
まぁ・・あの・・ヒト型セラミドと書いてはあるが配合めちゃ少ないとか(前に書いた)、セラミド配合するためのアレコレが肌に合ってないんじゃないかとか本当にセラミドが合わないってことは実はあんまりないのでは・・とは思うんだけど、実際セラミドを意識してもそこまで肌状態変わらない・・という方はいるはいるので、ちょっと試してみて欲しい。
NMFのアミノ酸の中から3種と海の微生物からとったエキスを合わせてグルングルンしてなんかすごい保湿のベールをつくるっていう原料いれてます。
で、この試験結果と同じ量配合してる。見て!!!!!
正直、ピースオブスキンの試作最終段階でイマイチこう「保湿」というところだけピンとこなくて、え~~無難にシロキクラゲ~??とかいろいろ試してみてたんだけど、たまたま来た商社さんに「会社から売れって言われる原料じゃなくて、君が個人的に好きな原料ってどれ?」と聞いたらこれ言ってきて、え~~~~~かかとすげ~~~~じゃ~~~~んとなって、最後の最後にバタバタっと決まって、担当くんも驚いていた。
試作してみたらほんとにパズルのピースがカチっとあった感じで、「コレコレコレコレ~~~~~潤う~~~~~~」って感じだった。
ちなみにセラミドも塗りたいよって人は、リペアオイル塗ってください。はい。
CICAなんだけど普通のツボクサエキスじゃない
まーたややこしい話をしますが、CICAとか表向きアッサリ言ってるんですけど、実は今回はツボクサの細胞のエキスを使ってるので、普通~~のツボクサエキスではない、つまり葉っぱとか茎からとってるわけじゃないんですよね・・・
植物エキスって、基本的には溶媒って言われる液体に漬けて有用成分をとるんですね。
梅酒とかハブ酒を思い浮かべてもらえたら。
でここで問題になるのが、再現性。
梅酒、どこの梅かで味多少変わるのはなんとなくわかりますよね?ハブはまぁ・・・いいか。
植物って産地によって中身の化学成分なんかも当たり前に違うので、産地って大事なんですよ。
別の場所でとったらアレルゲン入ってきちゃったとかもあるから。
でも植物って、ちょっとした気候変動とかですぐ育たなくなったり、あと普通に「栽培すること」って土壌に負担をかけるし・・・ということで、最近の「地球に優しく持続可能性を追求してこ!」みたいな流れで、植物からとった細胞をうまくデザインして、特定の成分を効率的に多くとれるようにしました!
細胞を培養してエキスをつくれば、植物そのものを毎年育てなくていいし、農薬問題や不作や有用成分が足りない~!とかアレルゲンいる~!みたいなリスク減らしました!!!っていうのをツボクサでやったやつを使ってます。
なんかここの「細胞をあーだこーだして特定の成分を濃いめにとる」のがけっこうなすごい技術らしい。
厳密にいうと幹細胞というかカルス細胞らしいけど・・・
血流まわりをみている原料になります。
~こぼれ話~
ツボクサもガチの100%原料って粉です。
溶けにくい。配合しにくい。
まぁあの元々のツボクサをきちんと使ってる会社ってどのくらいあんのかな・・・という感じは正直ある。
スペインで適当に買ってきた化粧品にヒントがあった
真理子の神がかりシリーズなんですけど、バルセロナ出張の時に薬局で面白そうなスキンケアをいくつか買ってきたんですね。
で、花粉の肌激やばの時にここぞ!と思って色々塗って実験していたんですよ。
そしたらそのうちの一つがなんかすごく良くて、いろいろ深堀していたら、3つの原料の組み合わせでアトピーについての報告が出てきて。
そのうちの1つを入れてます(笑)
これも原料会社に問い合わせたら「なぜこれに注目を・・・」と驚いていたし、当たり前に上記の報告も知らなかった。
日本では全然売れてないっぽい。
まぁ薬機法でこの原料のすごいところは何も言えないので、そら日本では厳しいでしょうねと思うが私は入れます!!!(笑)
BGフリーという新しい挑戦
私自身、化粧品原料で合わないものがけっこうあるし、アレルギー体質でもあるので皮膚科の学会はもちろん、もっと皮膚とアレルギーにコミットしている学会にも出て勉強しているし、皮膚とアレルギーについてはかなり気を使っているつもり。
で、資料と細かい数字の提示はできないんだけど、皮膚科で行ったどんな成分が肌に合わないかを試験する成分パッチテストという手法で、意外と陽性率が少なくないのが、BG(1,3-ブチレングリコール)。
続いてDPGとPGもあるけど、PGは元旧表示指定成分なので、日本の会社はPGの代わりにDPGを使ってる事が多いからかな?と思う。
スキンケア製品の全成分をみたら、大体どれかが入ってるはず。
グリセリンほどベタつかず程よい保湿感を与えてくれつつ、防腐助剤にもなるこれらの成分。
PGとDPGについてはそもそもどっちも使わない会社もあってミストラルもそう。
だけど!!!!
BGは話が違う~~~~~~~
というのも、日本の植物エキスメーカーの溶剤ってほとんどBGなんですよね・・・
だもんで、なんか植物エキスいれたろ♪となると、BGも一緒に入ってくるという。
なので「BGアレルギーですね」となった時のスキンケア選択肢の狭まり方がヤバい。
ということで、BGフリーにしてみたんだけどこれがまぁまた大変で。
BGフリーのせいであきらめた原料もないわけじゃないんだけど、ちゃんと代替の原料で補完してるから安心してね!!!!
ちなみに、保湿&防腐助剤として使われる多価アルコールって他にもいろいろあって、プロパンジオール・ペンチレングリコール・1,2-ヘキサンジオールとか、カプリリルグリコール・・・
この辺もまだまだパッチテスト界隈で取り上げられる事が少ないだけで、アレルギーリスクはもちろんある。(配合量も大きいとは思う)
ただ、現状ペンチレングリコール抜きや1,2ヘキサンジオール抜きの製品を選ぶのは簡単だけど、BG抜きはめーーーっちゃ大変なはず。
ということでBGフリーにしてみました。
念のために言っておきますが、BGアレルギーでない人がBGを避ける必要はまったくないです!!!
蕎麦アレルギーでもないのに蕎麦を避ける必要がないのと同じで、今問題なく使えている人はあえて選択肢を狭める必要ないので!!!
BGは大多数の方には全く問題なく使える成分なのでお間違えなく!!
ちなみにパッチテストパネル的にパラベンもやはり話題には出てくるので、ピースオブスキンではパラベンフリーにしました。
私はパラベンは悪いとは思っていないし、下手に多価アルコールをたくさん使うよりも少量のパラベン防腐の方が皮膚刺激が少ない事もあるので、製品によって防腐剤は使い分けています。
防腐の設計は製剤との相性があり、本当にいろいろな組み合わせを一斉に試験して決めていますので、出した製品に関して「●●は合わないので変える予定はありますか?」と聞かれてもそう簡単には難しいです。
他国でヤバそうな報告があった、チアゾリノン系・カプリルヒドロキサム酸、そして個人的に合わなかった酸化銀はミストラルは使わない事もここで明らかにしておきます。
また今回は通常のパッチテストではなく、あえて皮膚科通院歴のある敏感肌の方を対象にパッチテストを行いました。
アレルギーテストも行っています。(だからといって全ての方に刺激やアレルギーがないわけではありません)
~こぼれ話~
欧州ではBGが嫌われていて、割とPGは受け入れられているとか。まぁでも欧州は植物由来のプロパンジオールが多いですね。ナチュラル志向なので。
ちょっと赤ら顔原料に詳しい人なら知ってるかもなあの原料についても書いちゃう
赤ら顔対策原料で何度も試作しては諦め、試作しては諦め・・となった原料がある。
それが「タンブリッサトリコフィラ葉エキス」
赤ら顔・酒さをターゲットにした場合この原料を避けては通れない、いやもうアゼライン酸なんか目じゃないぐらいずーーーーーっと前から、なんなら「赤ら顔」なんて誰も言ってなかった頃からある原料。
皮膚科医の皆さんはラロッシュポゼのクリニック専売品のスプレー(今もあるのかは不明)かなんかにも入ってたので知ってる方は知ってるかも。
幅広い炎症シグナルをブロックする原料で、LL-37関連のところもしっかりやるのでまぁ~~~何度も試作した。
けどね・・・これ私かゆくなるんですわ・・・
いやほんとにデータだけ見ると本当に素晴らしいし・・・え~なんで~と思って「やっぱり入れる!!ちょっとなら平気かな・・・?」とかいろんな量で試作したけど、やっぱり痒いwwww
だから入れられなかった・・・ちなみにうちはLL-37周りはペプチドでやることにした。困ったときの合成ペプチド!
アミノ酸くっつけてつくってるから、植物みたいに良く分からない成分が全然ないからハマれば実感するし、ハマんなきゃ特に悪さもしにくいペプチドってありがたいよね~~~~
でもタンブリッサトリコフィラ葉エキスもハマる人はハマると思うし、興味ある方は探してみてね。
~こぼれ話~
実はこの原料その昔、大昔、あまりにもたくさんの炎症シグナルを一気に抑え込むからバリアミルクに入れようとしたんだけど、友達の息子くんにあり・なしで使ってもらったら「ありの方、かゆがるんだよね・・」とやっぱり言われて結局抜くことにした。バリアミルクはお医者様から「まっじで抗炎症成分すら入ってない事が逆にありがたい。それすらも合わない方がいるから(意訳)」とお声を頂いたことがあって、あえて抗炎症成分を入れていない事が逆にキャラ立ちした製品とあいなりました。
03美容液を選ぶヒント
これをご覧ください。
とにかく「赤みが気になるか」が最初のポイント。
赤みありの乾燥肌→ピースオブスキン・スキンディレクション・リペアオイル
赤みありのオイリー肌→プラセニスト・マットシグナル
が良いかなと思います。
というかピースオブスキン→リペアオイルでもいいし、ピースオブスキン→バリアミルクでも全然いいので、適宜・・・
もうここは塗ってみて頂いて相性みていただくしかないので・・・私が代わりに体験することはできないので自分の肌をよく観察してみてくださいね
Tゾーンはオイリーだけど、他は乾燥するよ!という混合肌さんはTゾーンとその他を塗るものを変える、季節によって変えるなどで工夫してみてください!
赤ら顔・酒さの人は血管・血流促進系の成分は要注意!!!
✓ヘパリン類似物質(ヒルドイド等)
✓炭酸
✓PDRN
✓パンテノール
✓イチョウ系成分(サプリも)
✓ピクノジェノール(サプリ)
どんなに皮膚科で治療をしていても、こういった成分を使っていると赤みは改善しにくいです。
流行りの成分・肌にいいとされている成分も、細かくデータを見ていると赤ら顔には適さないものもあります。
また、酒さ・赤ら顔は誤診や間違った薬の処方がすごく多く、医師にとっても取り組むのが難しい分野なんだ・・・と学会に出る度に感じます。
酒さの議題はいつも満員で、質問もみんな悩みが深いなぁ・・・と。
治療をされる場合はこれらのスキンケア成分をなるべく避けるようにし、さらに皮膚科の「専門医」そしてアレルギー試験などを積極的に行っている医療機関を選びましょう。
最後に
私は化粧品での技術発表はもちろん、IFSCCという国際大会でも華々しく結果を残す日本の大手化粧品メーカーさんの素晴らしい研究や技術を尊敬しています。
でも、同じぐらい「大手だからできないことがある」というのもわかります。
ミストラルは多くの人に満足を届ける大手さんが取りこぼしてしまうような、小さなお悩みや解決されにくいニーズにどうにか応えたいと願っているブランドです。
100人の方にいいねと言われるよりも、お一人の方に「これじゃないと無理」と言われるような製品でお役に立ちたいと願っています。
どの製品も、お客様に薬機法で言えなくても肌の事を調べ上げて選び抜いた化粧品原料たちでできています。
(私のtwitter見てればどこまで勉強して狂っているのかわかるはず)
この記事やミストラルの製品が赤ら顔で悩む方のお役に立てたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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「正しい洗顔とペプチド美容 レチノールやビタミンCが合わない方の受け皿」
ミストラル・コスメティクス オフィシャルサイト
→https://www.mistral-cosme.com/
