厳しすぎる摩擦警察に気を付けて｜笹本真理子の美意識過剰BLOG

美肌のために
「こすらない」「なるべく触らない」・・・

SNSを見るとこういった言葉をよくみますよね？
実際肝斑の予防・シワたるみを加速させないためには「ゴシゴシ肌をこすらない」事は大事ですし、コロナ禍のマスク荒れでいかに摩擦が肌のダメージになるかを実感した方も多いでしょう。

でも・・・「摩擦が怖くてアイクリームを塗るのをためらう」「メイクブラシの摩擦が気になる」みたいなお声が出てくるようになって、それはちょっとどうなの～？と思っています。
「ゴシゴシこすらない」と「触らない」は全く違うし、メリットとデメリットのバランス感覚を狂わせてしまうほどの摩擦警察は害悪でしかないです。
のわりに妙な美顔器を使っていたり・・・（ごめんなさい）

そもそもなんですが「皮膚を触ること」そのものには当然メリットもあります。
以下は資生堂さんの報告ですが、

肌に存在する神経線維が加齢と共に減少すること、そして感覚神経細胞から放出される成分が、肌の弾力に関わる線維芽細胞のコラーゲン産生を促すことを明らかにしています。また、『幸せホルモン』などとしても知られるオキシトシンについては、一般的に知られる脳由来のものだけではなく、肌に軽い刺激を与えることで、肌内部のオキシトシン分泌が増加することを発見しました。2021年には、肌由来オキシトシンが表皮の再生を促すことを発見しています。

つまり、多少の刺激は肌にとっても有用。
問題なのは「やりすぎ」

もうこれ、何でもそうですよね。
過ぎたるは猶及ばざるが如し。

皮膚科医と肝斑治療中の患者さんのスキンケア指導などを聞いていると

●コットンやパッド・クロスでふきとるような方法はできるだけやめましょう
●泡タイプの洗顔料なら、泡を顔に広げたらゴシゴシせず、触らず数秒してから洗い流す
●すすぎの時に肌を上下にギュンギュンこすらない
●水を拭く時もタオルでゴシゴシしない
●皮膚がぎゅ～っとよれて引っ張られるぐらいの力で化粧品を塗るはやめましょう

まぁだいたいこのぐらいの感じですし、自分の感覚とも合致するな～と思います。

つまり、物理的に何かをあてて強い力でこするな！ってこと。

もう一度言います。

物理的に何かをあてて強い力でこするな！

ここで一般的なスキンケアについて考えてみると、クレンジングや化粧水・美容液などのスキンケア製品は、つるつるしたり、ヌルヌルしているので製品そのものがある程度摩擦軽減のクッションになってくれます。

加えて、スキンケアにおいては「手をすべらせて肌になじませる」事は重要で、いきすぎた摩擦警察は「クレンジングをしているのに汚れが落ちていない」とか、「スキンケアが肌に浸透しにくい」とか、「目元のケアがおざなりに」など本来もたらされるべき化粧品のメリットすら享受できない可能性も。
非常にもったいない！！

浸透で言うとですね、化粧品は毛穴に逆らって塗ると一番浸透することがわかっています。
じゃあ毛穴の流れはどうなっているのか・・？？と細かい事を考えると面倒なので、保湿するときは軽く円を描くようになじませるといいですね。
こすらないように！！！を意識しすぎてペッペッと塗って軽くハンドプレスだけ・・だとちょっともったいない。
液体がはさまることで滑りもよくなるわけですから、肌の感覚を呼び覚まし～肌に浸透するように～すこ～し円を描いてみましょう！

こするのではなく！滑らせる！！
そして意識は「摩擦こわ～～～」ではなく
「今！私は！浸透の手助けをしていて！美肌への道を歩いている～！」
に切り替えるのです！
意識大事！

そして、できれば家庭用美顔器とかはやめてください！あと自己流マッサージも・・・
プロに任せて・・・
任せる余裕がなければ余計なことしない方がいいので・・

また、ミストラルではクレンジングや洗顔時に目元や小鼻を洗う時、またアイクリームを塗る時、細かいところに化粧品をなじませる際、できるだけ中指や薬指を使いましょうとご案内しています。人差し指は力がギュっとかかりやすいので。